<解答>
(1)
圧力を$p$,体積を$V$,物質量を$n$,気体定数を$R$,絶対温度を$T$とすると,理想気体の状態方程式を変形すると次のようになります.
まず,物質量保存の式を立てましょう.
化学反応は起こらないと,前後での分子の数は変化しません.
$pV=nRT$
$\therefore n=\dfrac{pV}{RT}$
なので,混合前の容器Aにあった気体の物質量は$\dfrac{P_{0}V_{0}}{RT_{0}}$,容器Bにあった気体の物質量は$\dfrac{2P_{0}\times 3V_{0}}{R\times 2T_{0}}=\dfrac{3P_{0}V_{0}}{RT_{0}}$です.
そして,混合後の圧力は$P$,体積は$V_{0}+3V_{0}=4V_{0}$,絶対温度が$T$なので,物質量の和は
$\dfrac{P\times 4V_{0}}{RT}=\dfrac{4PV_{0}}{RT}$
となります.
★ 物質量保存則
$\dfrac{P\cdot 4\cancel{V_{0}}}{\bcancel{R}T}=\dfrac{P_{0}\cancel{V_{0}}}{\bcancel{R}T_{0}}+\dfrac{2P_{0}\cdot 3\cancel{V_{0}}}{\bcancel{R}2T_{0}}$ (答)
$\therefore\,\, \dfrac{4P}{T}=\dfrac{4P_{0}}{T_{0}}$
$\therefore\,\, \dfrac{P}{T}=\dfrac{P_{0}}{T_{0}}$ $\cdots (\ast)$
熱力学第一法則を確認しましょう.
今回は,断熱容器でできていて,容器A,Bの外部との熱のやりとりはないため,$Q=0$です.
また,容器A,Bは変形もしないようなので,気体がする仕事も0です.
(力は加えますが,動かさないと仕事は0)
つまり,内部エネルギー変化は0となります.
また,単原子分子理想気体の内部エネルギーの式は以下のようになります.
★ 熱力学第一法則(内部エネルギー保存の式)
$\bcancel{\dfrac{3}{2}}\times \dfrac{P_{0}V_{0}}{\cancel{RT_{0}}}\times \cancel{RT_{0}}+\bcancel{\dfrac{3}{2}}\times \dfrac{3P_{0}V_{0}}{\cancel{RT_{0}}}\times \cancel{R}\times 2\cancel{T_{0}}=\bcancel{\dfrac{3}{2}}\times \dfrac{4PV_{0}}{\cancel{RT}}\times \cancel{RT}$ (答)
$\therefore\,\, P_{0}V_{0}+6P_{0}V_{0}=4PV_{0}$
$\therefore\,\, 7P_{0}\cancel{V_{0}}=4P\cancel{V_{0}}$ $\cdots (2\ast)$
(2)
$(2\ast)$より,$P=\dfrac{7}{4}P_{0}$(答).さらに,$(\ast)$より,$T=\dfrac{7}{4}T_{0}$(答)
コメント
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