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図のような$x$軸上の$x=a$の位置に電荷$4Q$の点電荷が固定してあり,$x=-a$の位置には電荷$9Q$が固定してある.クーロンの比例定数を$k$として次の問いに答えよ.ただし,$Q$,$a$はともに正の数である.このとき,$x$軸上で電場が0となる位置を答えよ.
<解答>

まず,点電荷がつくる電場と電位について確認しましょう.
電荷$Q$の点電荷が距離$r$につくる電場の大きさ$E$は,クーロンの比例定数を$k$として
$E=k\dfrac{|Q|}{r^{2}}$
また,正電荷の場合,点電荷から飛び出すように電場をつくり,負電荷の場合,点電荷に入りこむように電場をつくる.


電場の合成はベクトル計算です.

まず,電場が0の場所はどこらへんにあるか目星をつけておきましょう.
普通,電場の計算は大きさと向きを別々に考えるからです.
場所によって電場の向きが変わっちゃうんだね.


領域Iでは,$4Q$と$9Q$どちらの電荷ががつくる電場も$x$軸の負の向きなので,電場0はつくれません.
領域IIでは,$4Q$がつくる電場は$x$軸の負の向き,$9Q$がつくる電場は$x$軸の正の向きなので,電場が0の場所がありそうですね.
領域IIIでは,$4Q$と$9Q$どちらの電荷がつくる電場も$x$軸の正の向きなので,電場0はつくれません.
★ 領域IIについて,電場が0になる位置を$x$$(-a<x<a)$とすると

$\eqalign{\cancel{k}\dfrac{4\cancel{Q}}{(a-x)^{2}}&=\cancel{k}\dfrac{9\cancel{Q}}{(x+a)^{2}}\cr 4(x+a)^{2}&=9(a-x)^{2}\cr 2(x+a)&=\pm3(a-x)}$

これを$x$に解くと$x=\dfrac{1}{5}a,5a$ですが,$-a<x<a$より,$x=\dfrac{1}{5}a$(答)
ちなみに,電位0になるのはありません.(無限遠は0に近づきます.)正電荷同士では電位は0になりません.
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