前回の内容はこちらです.
今回は相対速度を考える別解についてです.
<解答>
(1)
今回,質点A,Bにはたらく力は重力のみなので,それぞれの物体は等加速度運動をします.
等加速度運動の式を確認しましょう.
質点Aと質点Bの初速度,加速度を調べましょう.
Bの初速度は0なので,いいのですが,Aは$x$方向と$y$方向に分解します.
Aの$x$方向の初速度は$v_{0}\cos\theta$,$y$方向の初速度は$v_{0}\sin\theta$となります.
また,A,Bともに$x$方向には力がはたらかないため,$x$方向の加速度は0.$y$方向は$y$軸の負の向きに重力がはたらくので,$y$方向の加速度は$-g$です.
★ Aの等加速度運動の速度の式
$ v_{{\rm A}x }=v_{0}\cdot (\cos\theta)$
$ v_{{\rm A}y }=v_{0}\cdot (\sin\theta)+(-gt)$
★ Bの等加速度運動の速度の式
$ v_{{\rm B}x }=0$
$ v_{{\rm A}y }=-gt$
したがって,時刻$t$におけるAとBの速度$v_{\rm A}$,$v_{\rm B}$はそれぞれ
$v_{\rm A}=( v_{0}\cos\theta, v_{0}\sin\theta-gt )$ (答)
$v_{\rm B}=(0 , -gt)$ (答)
(2)
速度$v_{\rm A}$と速度$v_{\rm B}$は静止した人から見た質点の速度です.
今回は質点Bからみた質点Bの速度を考えましょう.
相対速度の計算ができない人はこちらを参考にしてね.
BからみたAの速度を$v_{\rm B\rightarrow A}$とすると
$v_{\rm B}$$+$$v_{\rm B\rightarrow A}$$=$$v_{\rm A}$
$\eqalign{\therefore v_{\rm B\rightarrow A}&=v_{\rm A}-v_{\rm B}\\&= ( v_{0}\cos\theta , v_{0}\sin\theta-gt ) -(0 , -gt)\\&=( v_{0}\cos\theta , v_{0}\sin\theta ) }$
BからみたAの速度は
$ ( v_{0}\cos\theta , v_{0}\sin\theta ) $
なので,$x$方向の速度も$y$方向の速度も時間に依らず一定だね.さらに,それぞれの速度成分が変化しないので,速度の方向も変わらないんだね.
ということは,
BからAをみると,一定の速さでまっすぐに動いているように見えるんだ.
AがBに向かうためには,$t=0$の段階で,速度がAの方向を向いていないといけないね.(BからAをみると,その後の速度の向きが変化しないので)
つまり,上図のように,
$\tan\theta=\dfrac{h}{a}$ (答)
を満たす角度$\theta$で投げ上げれば衝突するんだね.
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