
特性をもつ回路の問題演習です。
特性をもつ回路の解き方はこちらをどうぞ.
ある素子に流れる電流$[\rm mA]$と電圧$[\rm V]$が次のグラフのようになっている.

(1) 上図のグラフの特性をもつ素子と$20\,\Omega$の抵抗,$8.0\,\rm V$の内部抵抗の無視できる直流電池をつないだとき,電池に流れる電流$[\rm mA]$を求めよ.(図1)
(2) 上図のグラフの特性をもつ素子と$5.0\,\Omega$の抵抗,$2.6\,\rm V$の内部抵抗の無視できる直流電池をつないだとき,電池に流れる電流$[\rm mA]$を求めよ.(図2)

<解答>
(1)

特性をもつ素子に流れる電流はどちらも同じだね.(キルヒホッフ第1法則)
同じ性能の素子なんだから,電流が同じだったら電圧も同じになるね.

素子に流れる電流を$I\,[\rm mA]$,かかる電圧を$V\,[\rm V]$としてキルヒホッフ第2法則を立てていきます.

なんで電流の単位を$[\rm A]$ではなく,$[\rm mA]$にしたの?

特性曲線のグラフの単位が$[\rm mA]$になっているので,これに合わせるためです.
ただし,キルヒホッフの法則を立てるときは,結局$[\rm A]$にしなくてはいけないので,電流を$\dfrac{I}{1000}\,[\rm A]$として計算することに注意しましょう.

- 特性のある素子に流れる電流とかかる電圧を設定する.
- キルヒホッフ則を立てる.
- 2.で得た回路の式を特性曲線のグラフに書き込み交点を求める.(特性の式が与えられていたら共通解を求める.)
★ キルヒホッフ則
$8.0-20\times \dfrac{I}{1000}-V-V=0$
$\therefore\,\, I=-100V+400$

$I=-100V+400\,[\rm mA]$の直線をグラフに書き込んで交点を求めると次のようになります.


したがって,電池に流れる電流は$260\,\rm mA$(答)です.
(2)

今度は2つの素子にかかる電圧が同じだね.同じ電圧がかかるから流れる電流も同じなので,1つの素子にかかる電圧を$V\,[\rm V]$,流れる電流$I\,[\rm mA]$とすると,$5.0\,\Omega$の抵抗には$2I\,[\rm mA]$の電流が流れるね.

★ キルヒホッフの法則
$2.6-5.0\times \dfrac{2I}{1000}-V=0$
$\therefore\,\, I=-100V+260$

$I=-100V+260\,[\rm mA]$の直線を特性曲線のグラフに書き込み,交点を求めると次のようになります.


すると,$I=180\,[\rm mA]$なので,電池に流れる電流は$2I=360\,[\rm mA]$(答)となります.
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