twitterの問題7の解答

演習問題

<解答>

ポイントは次の3つ

  1. 万有引力のみがはたらくとき,力学的エネルギー$E=0$の運動は放物線を描く.
  2. 焦点と準線による放物線の定義から放物線の式を導出
  3. 万有引力のみはたらくので,面積速度一定である.したがって,(面積)$=$(面積)$\times$(面積速度)が成り立ち,この式より,時間を求める.

万有引力を受ける運動の力学エネルギー$E$の値による分類

万有引力を受ける運動は力学的エネルギー$E$の値によって分類できます.

万有引力を受ける運動は力学的エネルギー$E$の値によって分類

$E$の値によって,次の軌道を描く

$E<0 \cdots $ 円,楕円

$E=0 \cdots $ 放物線

$E>0 \cdots $ 双曲線

今回は,$(R,0)$での力学的エネルギーが

$E=\dfrac{1}{2}m\left(\sqrt{\dfrac{2GM}{R}}\right)^{2}-\dfrac{GMm}{R}=0$

なので,放物線を描きます.

焦点と準線による放物線の定義から放物線の式を導出

放物線は次のように定義できます.

放物線

焦点をF,放物線上の点をP,Pから準線に下した垂線の交点をHとするとき,

$\rm PF=PH$

を満たす.

今回,焦点はO$(0,0)$で準線は$x=2R$です.

質量$m$の物体の位置をP$(x,y)$とすると,Pから準線に下した垂線の交点Hは$(2R,y)$となります.したがって,放物線の定義$\rm OP=PH$から

$\sqrt{x^{2}+y^{2}}=2R-x$ 

両辺$2$乗して整理すると

$x=-\dfrac{y^{2}}{4R}+R$

この式より,$y$軸との交点は$y=2R$であることがわかります.

次に$x$軸,$y$軸と放物線で囲まれた部分の面積(第一象限部分)の面積$S$を求めます.

$\eqalign{S&=\int_{0}^{2R}xdy=\int_{0}^{2R}\left(-\dfrac{y^{2}}{4R}+R\right)dy\\&\left[-\dfrac{y^{3}}{12}+Ry\right]_{0}^{2R}=\dfrac{4}{3}R^{3}}$

面積速度を用いて時間を求める

面積速度一定の法則

$\rm O$を中心として物体が運動しているときを考える.

物体の軌道面と平行な力が中心$\rm O$(または中心軸)を向くとき,面積速度$\dfrac{\Delta S}{\Delta t}$が一定となる.

面積速度は中心$\rm O$と物体を結ぶ線分が単位時間あたりに通過する面積である.

上図のように,$\rm O$と物体の距離が$r$,物体の速さを$v$,$\rm O$と物体を結ぶ線分と速度とのなす角を$\theta$とすると,面積速度は

$\dfrac{\Delta S}{\Delta t}=\dfrac{1}{2}rv\sin\theta$

面積速度$\times$微小時間$=$微小時間に通過した面積

より,

面積速度$\times $周期$=$1周して通過した面積の和

$S=\dfrac{4}{3}R^{2}$で,面積速度は$A=\dfrac{1}{2}R\sqrt{\dfrac{2GM}{R}}$なので,求める時間$t$は

$t=\dfrac{S}{A}=\dfrac{\dfrac{4}{3}R^{2}}{\dfrac{1}{2}R\sqrt{\dfrac{2GM}{R}}}=\dfrac{4}{3}R\sqrt{\dfrac{2R}{GM}}$

したがって,答えは$t=\dfrac{4}{3}R\sqrt{\dfrac{2R}{GM}}$

コメント

タイトルとURLをコピーしました