<問題>
<解答>
(1)
等速円運動をしているので,向心方向の運動方程式を立てる.万有引力が向心力です.以後,物体の質量を$m$としましょう.
★ 向心方向の運動方程式
$m\dfrac{v_{1}^{2}}{R}=G\dfrac{Mm}{R^{2}}$ $\therefore\,\, v_{1}=\sqrt{\dfrac{GM}{R}}$ (答)
(2)(3)(4)
緯度が$\theta^{\circ}$のときの円運動(下図の青色部分を円運動する)の半径は$R\cos\theta$になる.
角速度$\omega$,円運動の中心からの距離が$r$での速さは$v=r\omega$なので,緯度$\theta^{\circ}$の場所では,地球は$(R\cos\theta)\times \omega=R\omega \cos\theta$の速さで自転する.
上図の矢印の方向を速度の正の向きとします.地球の外で静止した人からみた地球上で静止した観測者の速度は$R\omega\cos\theta$であり,物体が円運動するために必要な速度は(1)より,$\sqrt{\dfrac{GM}{R}}$なので,地球上で静止した観測者からみた物体の初速度$v$は
$R\omega\cos\theta+v=\sqrt{\dfrac{GM}{R}}$ $\therefore\,\, v=\sqrt{\dfrac{GM}{R}}-R\omega\cos\theta$
$v$を最小にすれば,物体を投げ出すエネルギーが小さくて済む.これは$\cos\theta=1$のときであるから,$\theta=0^{\circ}$の場所で上図の正方向に投げるのがよい.(逆方向に投げ出すと,地球の自転速度に逆らってしまうので,初速度を大きくしなくてはいけない.)
つまり,$\theta=0^{\circ}$ (2)の(答)で自転の方向,つまり西から東の方向 (3)の(答)に投げ出せばよい.その速さは
$v_{2}=\sqrt{\dfrac{GM}{R}}-R\omega$ (4)の(答)
ちなみに$\theta$が0°以外のところでは投げ出した後も大変である.万有引力の方向と円運動の中心方向が一致しないためである.
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