今回は電流と磁場の問題です.次のことを確認しましょう.
- 電流が流れるとまわりに磁場をつくる.
- 磁場中に電流が流れると力を受ける.
なんだかややこしい話ですね.問題の後に解説から書いてあるので,復習に使ってください.
解答は最後にまとめてあるので,チェックしてみてください!
直線電流がつくる磁場
電流を流すとまわりに磁場をつくります.
電流が大きいほど,大きな磁場をつくり,距離が近いところほど,大きな磁場をつくる式ですね.
さらに,磁場中を電流が流れると力を受けます.
ちなみに,高校で覚えておくべき磁場の公式は
- 十分長い直線電流がつくる磁場
- 円形電流が中心につくる磁場
- ソレノイドコイルに流す電流がコイル内部につくる磁場
の3つだけです.
電流が磁場から受ける力(電磁力)
向きの間違いが割りと多いので注意してください!
(1)の解答
電流$I_{1}$が距離$a$の位置につくる磁場の大きさ$H_{1}$は
$H_{1}=\dfrac{I_{1}}{2\pi a}$
で,右ねじの法則を使えば,上図より,電流$I_{1}$が導線3の場所に作る磁場の向きは”紙面手前から奥方向”です.
したがって,答えは$①$.
(2)の解答
電流$I_{1}$と$I_{2}$が導線3の位置につくる磁場の向きは下図の$H_{1}$と$H_{2}$です.
それぞれの大きさは
$H_{1}=\dfrac{I_{1}}{2\pi a}$,$H_{2}=\dfrac{I_{2}}{2\pi b}$
となります.
そして,導線$I_{3}$が磁場$H_{1}$,$H_{2}$から受ける長さ$l$あたりのそれぞれの力の大きさを$F_{1}$,$F_{2}$とすると,フレミング左手の法則より,$F_{1}$と$F_{2}$は下図の向きにはたらきます.
ここで,磁束密度$B$と磁場$H$は透磁率を$\mu$とすると,次の関係があります.
すると,電流$I_{1}$,$I_{2}$が導線3の位置につくる磁束密度$B_{1}$,$B_{2}$は透磁率を$\mu$とすると,それぞれ
$B_{1}=\mu H_{1}=\dfrac{\mu I_{1}}{2\pi a}$
$B_{2}=\mu H_{2}=\dfrac{\mu I_{2}}{2\pi b}$
したがって,長さ$l$あたりの電磁力の大きさ$F_{1}$,$F_{2}$は
$F_{1}=I_{3}B_{1}l=\dfrac{\mu I_{1}I_{3}l}{2\pi a}$
$F_{2}=I_{3}B_{2}l=\dfrac{\mu I_{2}I_{3}l}{2\pi b}$
問題の条件$F_{1}=F_{2}$より
$\eqalign{\dfrac{\mu I_{1}I_{3}l}{2\pi a}&=\dfrac{\mu I_{2}I_{3}l}{2\pi b}\cr \dfrac{I_{1}}{a}&=\dfrac{I_{2}}{b}\cr bI_{1}&=aI_{2}}$
したがって,答えは$③$です.
解答
解答
(1) $①$ (2) $③$
今回は電流どうしにはたらく力の問題でした!
基本問題だからこそ,確実にとりたい1問ですね!
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