[基本]単振動の演習問題④ 周期を求める.

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PHYさん
PHYさん


結論から言うと,質量が$m$,加速度が$a$,正の比例定数を$k$,時刻$t$における座標を$x$,中心座標を$x_{0}$とすると,

$ma=-k(x-x_{0})$ $\dots (\clubsuit)$

の運動方程式があるとき,角振動数$\omega$と周期$T$はそれぞれ

$\omega=\sqrt{\dfrac{k}{m}}$,$T=2\pi \sqrt{\dfrac{m}{k}}$

となります.この2つはいきなり覚えるのではなく,たとえば角振動数$\omega$の式を覚えてから

$\omega \cdot T=2\pi$ $\therefore T=\dfrac{2 \pi}{\omega} $

を使って,周期を出すように工夫をしましょう.なぜ,このような角振動数になるのかを下で説明します.

まず,単振動の時刻$t$における位置$x$は,振動の中心$x_{0}$,振幅$A$,角振動数$\omega$,初期位相$\theta_{0}$を用いて

$x=x_{0}+A\sin(\omega t +\theta_{0})$ $\dots (\ast)$

と表すことができます.この式を時間$t$で微分すると速度を得ます.

$v=A\omega\cos(\omega t +\theta_{0})$

さらに,時間$t$で微分して加速度を得ます.

$a=-A\omega^2\sin(\omega t+ \theta_{0})$ $\dots (2\ast)$

ところで,$\dots (\ast)$より,$x-x_{0}=A\sin(\omega t+\theta_{0})$なので,これを$\dots (2\ast)$に代入すると

$a=-\omega^2 (x-x_{0})$

を得ます.つまり,$(\clubsuit)$の両辺$m$で割った

$a=-\dfrac{k}{m}(x-x_{0})$

と比較すれば,

$\omega^2=\dfrac{k}{m}$ $\therefore \omega=\sqrt{\dfrac{k}{m}}$

となるのです.もし,$\omega$の分母が$m$なのか$k$なのかがわからなくなったら,運動方程式を思い出しましょう.$ma=-k(x-x_{0})$を両辺$m$で割った$a=-\dfrac{k}{m}(x-x_{0})$の$\dfrac{k}{m}$部分が$\omega$と関係してくるのです.

NEKO
NEKO

ということで,今回も運動方程式から単振動の情報を読み取っていきます.次の問題を考えてみましょう.

問題4 角振動数と周期を読み取る

以下の式において,$m$や$M$は質量,$x$は物体の座標(または重心座標),$a$は物体の加速度(または重心加速度),$k$,$k_{1}$,$k_{2}$,$\mu$,$g$を正の比例定数とする.このとき,以下の運動方程式から物体(または重心)の角振動数$\omega$および,周期$T$をそれぞれ求めよ.

(1) $(M+m)a=-kx$

(2) $ma=-kx+ \mu mg$

(3) $ma=-k_{1}x-k_{2}x$

(4) $ma=-k_{1}x-k_{2}x+\mu mg$

(5) $(M+m)a=(M+m)g-kx$

<解答>とにかく,$ma=-k(x-x_{0})$の形を作ります.その後$a=-\dfrac{k}{m}(x-x_{0})$として,角振動数$\omega$を求めたあとに,$T=\dfrac{2\pi}{\omega}$より周期を求めます.

(1) $a=-\dfrac{k}{M+m}x$より,角振動数$\omega$は

$\omega=\sqrt{\dfrac{k}{M+m}}$

周期$T$は

$T=\dfrac{2\pi}{\omega}=2\pi \sqrt{\dfrac{M+m}{k}}$

(2) $ma=-kx+ \mu mg$を$ma=-k\left(x-\dfrac{\mu mg}{k}\right)$と変形して$a=-\dfrac{k}{m}\left(x-\dfrac{\mu mg}{k}\right)$から角振動数$\omega$は

$\omega=\sqrt{\dfrac{k}{m}}$

周期$T$は

$T=\dfrac{2\pi}{\omega}=2\pi \sqrt{\dfrac{m}{k}}$

(3) $ma=-k_{1}x-k_{2}x$より,$ma=-(k_{1}+k_{2})x$と変形して,$a=-\dfrac{k_{1}+k_{2}}{m}x$より角振動数$\omega$は

$\omega=\sqrt{\dfrac{k_{1}+k_{2}}{m}}$

周期$T$は

$T=\dfrac{2\pi}{\omega}=2\pi \sqrt{\dfrac{m}{k_{1}+k_{2}}}$

(4) $ma=-k_{1}x-k_{2}x+\mu mg$より,$ma=-(k_{1}+k_{2})\left(x+\dfrac{\mu mg}{k_{1}+k_{2}}\right)$と変形して,$a=-\dfrac{k_{1}+k_{2}}{m}\left(x+\dfrac{\mu mg}{k_{1}+k_{2}}\right)$より角振動数$\omega$は

$\omega=\sqrt{\dfrac{k_{1}+k_{2}}{m}}$

周期$T$は

$T=\dfrac{2\pi}{\omega}=2\pi \sqrt{\dfrac{m}{k_{1}+k_{2}}}$

(5) $(M+m)a=(M+m)g-kx$より,$(M+m)a=-k\left(x-\dfrac{M+m}{k}g\right)$と変形して,$a=-\dfrac{k}{M+m}\left(x-\dfrac{M+m}{k}g\right)$より,角振動数$\omega$は

$\omega=\sqrt{\dfrac{k}{M+m}}$

周期$T$は

$T=\dfrac{2\pi}{\omega}=2\pi \sqrt{\dfrac{M+m}{k}}$

PHYさん
PHYさん

第3回と第4回を通して,運動方程式から情報を読み取る練習をしました.これで運動方程式を立てることができれば,いつでも中心座標や角振動数,周期を計算できます.次回から大事な大事な運動方程式の立式.運動方程式を立てる練習をしていきたいと思います.

次回はこちら

コメント

  1. […] [基本]単振動の演習問題④ 周期を求める. の続きです.前回までで,初期条件から座標の式を求める練習と,運動方程式から中心座標や角振動数,周期を求める練習をしました.今回は,いよいよ運動方程式を立てていきます.運動方程式は以下のステップで立てましょう. […]

  2. […] 発展問題では重心を観測者とした問題がたびたび出てきます.その際に,よく使うのが 重心からみた運動量の和が0 です.そもそもなぜ重心なんて考えるのでしょうか?その理由が知りたい方はぜひこの記事を読んでみてください.  重心… [基本]単振動の演習問題② [基本]単振動の演習問題④ 周期を求める. […]

  3. […] […]

  4. メガラ より:

    (4)の問題文の摩擦力がマイナスになってます。多分プラスじゃないでしょうか?答えでもそう書いています。