
今回は,
「鏡を回転させる前に入射した光線と回転させた後に入射した光線でどの程度反射角が違うのか」
について扱います.

鏡を$\theta$だけ回転させると,回転前に入射した光線の反射角より,$2\theta$分だけずれて反射する.

鏡を$\theta$回すと,反射光線は$2\theta$回転するんだね.
しかし,図がごちゃごちゃしていてなんだかわかりにくいね.

そうですね.それでは,一つ一つ考えていきましょう.


上図では,黒太い棒線が回転前の鏡(を横から見た図),青い太線が回転後の鏡を表しています.この際,鏡面に垂直な線(法線)を考えると理解が楽になります.
鏡を$\theta$回転させると,法線も$\theta$回転します.

そうだね.


ちなみに,「反射の法則」より,光の入射角(法線からのなす角)と反射角(法線からのなす角)は同じです.
入射角と反射角をどちらも$\alpha$としましょう.


鏡を$\theta$回転させると,法線も$\theta$回転することをさきほど話しました.
すると,回転後の入射角(回転後の法線からのなす角)は
$\alpha+\theta$
となります.
ということは,反射角も$\alpha+\theta$になりますね.


反射角が$\alpha+\theta$だから,回転前の法線から$\alpha+2\theta$(上図のピンクの矢印)だけ回転してることになるんだね.
回転する前の反射角は$\alpha$だから,確かに反射角は$2\theta$回転しているね.

なんてことのない話なのですが,何度か図を書く練習をしておかないと手間取ってしまいます.
手を動かして練習しておくとよいでしょう.
では,これをもとに実践問題をやってみましょう.

Oを中心に角速度$\omega$で回転している平面鏡がある.時刻$t=0$において,平面鏡と垂直になるように,Oに光を入射した.さらに,時刻$t=t_{0}$において時刻$t=0$と同じ方向からOに光を入射した.このとき,時刻$t=0$のときに入射した光の反射光線と時刻$t=t_{0}$のときに入射した光の反射光線のなす角を求めよ.ただし,$t_{0}$は角速度$\omega$に対して十分小さいものとする.
<解答>

時間$t_{0}$で鏡は$\omega t_{0}$回転するんだから,反射光線は$2\omega t_{0}$(答)
回転するんだね.

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