今回は,大昔の東京工業大学の問題です.
<解答>
(a)
まずは,IIがなかったらできるはずだった像をかいてみよう.
凸レンズの代表光線は次を参考にしてください.
手前側の$\rm F_{1}$を通る光線は光軸に平行な方向に屈折(赤色光線)して,中心を通る光線(青色光線)は,そのまままっすぐ進むんだね.
この際,本当は赤色光線はIのレンズを通っていないんだけど,どこに集まるかの目安のために,書いただけです.
すると,物体の一番上側から出た光線はすべて赤色光線と青色光線の交点に向かうように凸レンズによって屈折していきます.
上のように,Aから出た光(赤色光線)はレンズIによって$\rm A’$に向かうように屈折し,Bから出た光(青色光線)はレンズIによって,$\rm B’$に向かうように屈折します.
しかし,現実は,レンズIIがあるので,さらに屈折してしまいます.
このように,もし,レンズがなかったら集まるはずだったものを虚光源(または虚物体)というんだね.
虚光源の$\rm A’$に集まる光のうち,レンズIIの代表光線を考えて,実際にできる像を考えていきます.
$\rm A’$に向かう光線のうち,光軸と平行な光線(赤色光線)は奥側の焦点$\rm F_{2}$を通るように屈折し,
$\rm A’$に向かう光線のうち,レンズIIの中心を通る光線(青色光線)はそのまままっすぐ進みます.
すると,赤色光線と青色光線が上図の$\rm A^{\prime\prime}$で交わり,実像$\rm A^{\prime\prime}B^{\prime\prime}$ができます.(答)
例えば,Aから出た光は上図のように2回屈折して,$\rm A”$に集まるんだね.
(2)
実はすべての光線がレンズIIによって屈折されるわけではありません.
たとえば,上図は,レンズIIは通らない光線なので,レンズIでしか屈折していません.
つまり,$\rm A’$には実像ができるんです.
上の赤色光線はギリギリIを通りIIを通らない光線です.
青色光線は,IIは通らないけど,Iも通らないのでこのような光線はありません.
以上のことから上図の黄色の部分はレンズIIは通らないけどレンズIを通る光線が一部あって,実像ができます.
しかし,黒色部分はIを通ってIIを通らない光線がでいないので,実像はできません.(答)
つまり,2つのレンズによって,2つの実像ができ,その片方は一部がかけた実像ができるんだね.
コメント