干渉による位相差の条件をまとめると次のようになります.
今回は距離の差による位相のずれのみを考えればよいね.
何度か反射はしているけど,光線aも光線bも同じ回数反射しているから,反射による位相差はなしでよいでしょう.
そもそも位相差とは何かをもう一度考えていきましょう.
上図は,波が右方向に進行している様子を表しています.
青の媒質を基準とすると,$\rm P_{1}$は$\pi$,$\rm P_{2}$は$2\pi$,$\rm P_{3}$は$3\pi$,$\rm P_{4}$は$4\pi$,$\rm P_{5}$は$5\pi$,$\rm P_{6}$は$\rm 6\pi$,$\rm P_{7}$は$7\pi$の位相のずれがあります.
位相差が$2\pi,4\pi,6\pi$の媒質である$\rm P_{2},P_{4},P_{6}$は,媒質のタイミングが一緒なんだね.距離が離れると位相差が大きくなるんだね.
さらに, 位相差が$\pi,3\pi,5\pi,7\pi$の媒質である$\rm P_{1},P_{3},P_{5},P_{7}$は,媒質が真反対になるんだね.
たとえば,検出器において,光線aと光線bの位相差が$30\pi$だとしましょう.このとき,振動のタイミングが一緒なので,強め合います.
光線bを半透鏡から少しずつ遠ざけると,光線aとの位相差は少しずつ大きくなっていくね.
すると,位相差が$31\pi$になったときにタイミングが真反対になって弱め合います.
つまり位相差が$\pi$分ずれたときに,強め合いから弱め合いに変わるんだね.
今回は,光の強度が極大(強め合い)から極小(弱め合い)になるときのことを考えているので,位相差が$\pi$分ずれたときのことを考えます.
鏡$\rm M_{2}$を移動させた距離を$\varDelta x$とすると,往復分を考えて$2\varDelta x$分の行路差が増えます.すると,位相差は
$\dfrac{2\pi}{\lambda_{0}}\times 2\varDelta x$
分だけ変化します.これが$\pi$になるので
$\dfrac{2\pi}{\lambda_{0}}\times 2\varDelta x=\pi$
$\therefore \varDelta x=\dfrac{\lambda_{0}}{4}$ (答)
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