
今回は凸面鏡を扱います.
入試で頻出とは言えませんが,いざ出たときに焦らないように最低限のことを復習しておきましょう.


球の一部が鏡になっているものを球面鏡といいます.
球の中心が球心です.
とくに,上図のように,凸になっている方が鏡になっているものを凸面鏡といいます.
光軸と球心を結ぶ直線と凸面鏡の交点が鏡心です.

凹面鏡と同じように,反射の法則がわかっていれば,大丈夫だね.

反射面の法線(垂直な線)から入射光線までのなす角を入射角,反射光線までのなす角を反射角という.
このとき
入射角=反射角
が成り立つ.

はい,そして代表光線は次の2つを覚えておけばよいでしょう.
1. 鏡心にあたる光は反射の法則にしたがって,反射する.

2. 球心を通る光線の入射角は90°なので,反射角も90°である.すなわち,反射光線は入射経路と同じ経路をたどる.


それでは,問題を解いてみよう!

上図のような位置関係で光源と凸面鏡がある.光源からでる光が鏡に反射することによってできる像を作図せよ.
<解答>


まずは,代表光線をかいてみましょう.
①は鏡心にあたる光線(青の光線),②は球心に向かう光線(緑の光線)だね.
これらの光線は反射後に交わらないので,反対側に伸ばして交点を求めてみましょう.
その交点が虚像(赤い点)の位置です.


光源から出たすべての光線は,凸面鏡反射後にまるで虚像から飛び出したように進みます.
虚像の高さがもとの光源より小さくなっていますが,実際に凸面鏡の前に立つと,背が低く見えます.
次の(1),(2)の図のように,虚光源に向かう反射光線を作図せよ.
(1)

(2)

<解答>

鏡がなかったらできていた像を,虚物体または虚光源といいます.
このとき,すべての光は虚光源に向かうように鏡に入射します.

じゃあ,虚光源に向かう光線のうち,
①:鏡心にあたる光線
②:球心に向かう光線
を作図して交点を求めればいいんだね.


すると,反射光線は交点をもたないから,反対側の交点を探せばいいね.
交点は上図の赤い点だよ.
すべての光線は赤い点(虚像)から飛び出したように反射するんだ.


したがって,答えは上図の赤い線になるよ.
(2)

同じように,虚光源に向かう光線のうち,
①:鏡心にあたる光線
②:球心に向かう光線
を作図して交点を求めよう.


すると,今回は反射光線が交わるね.
赤い点の場所に実像ができるよ.
すべての反射光線はこの実像を通るように反射するんだ.


したがって,答えは上図の赤い線のようになるよ!
次回の内容はこちら.
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