気体分子運動論 基礎の基礎6 平均値の復習

PHYさん
PHYさん

今まで,気体分子は1個のときだけを考えてきましたが,実際は多数の分子(たとえば$1\,\rm mol$の気体分子なら$6.02\times 10^{23}$個)が容器に入ったときを考えます.そのとき,1つ1つの気体分子の速度はばらばらなので,平均を考える必要があります.

そこで,今回は平均値について復習していきたいと思います.

平均値

$n$個のデータ$x_{1},x_{2},x_{3},\cdots ,x_{n}$の平均値$\overline{x}$は

$\overline{x}=\dfrac{x_{1}+x_{2}+x_{3}+\cdots +x_{n}}{n}$

これを変形して

$x_{1}+x_{2}+x_{3}+\cdots +x_{n}=n\overline{x}$

つまり,

(データの和)$=$(データの数)$\times $(平均値)

これはデータの2乗についても同じように成り立つ.つまり,データの2乗

$x_{1}^{2},x_{2}^{2},x_{3}^{2},\cdots,x_{n}^{2}$の平均値$\overline{x^{2}}$は

$\overline{x^{2}}=\dfrac{x_{1}^{2}+x_{2}^{2}+x_{3}^{2}+\cdots+x_{n}^{2}}{n}$

これを変形して

$x_{1}^{2}+x_{2}^{2}+x_{3}^{2}+\cdots+x_{n}^{2}=n\overline{x^{2}}$

つまり,

(データの2乗の和)$=$(データの数)$\times $(データの2乗の平均)

問題

次の問いに答えよ.

(1) 5つのデータ$a_{1},a_{2},a_{3},a_{4},a_{5}$の平均を$\overline{a}$とする.$a_{1}+a_{2}+a_{3}+a_{4}+a_{5}$を$\overline{a}$を用いて表せ.

(2) 3つのデータ$x_{1}^{2},x_{2}^{2},x_{3}^{2}$の平均を$\overline{x^{2}}$とする.$x_{1}^{2}+x_{2}^{2}+x_{3}^{2}$を$\overline{x^{2}}$を用いて表せ.

(3) $n$個のデータ$v_{x1}^{2},v_{x2}^{2},\cdots ,v_{xn}^{2}$の平均を$\overline{v_{x}^{2}}$とする.$v_{x1}^{2}+v_{x2}^{2}+\cdots +v_{xn}^{2}$を$\overline{v_{x}^{2}}$と$n$を用いて表せ.

<解答>

(1) $a_{1}+a_{2}+a_{3}+a_{4}+a_{5}=5\overline{a}$(答)

(2) $x_{1}^{2}+x_{2}^{2}+x_{3}^{2}=3\overline{x^{2}}$(答)

(3) $v_{x1}^{2}+v_{x2}^{2}+\cdots +v_{xn}^{2}=n\overline{v_{x}^{2}}$(答)

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