今回は,体積が変化しない,いわゆる定積変化の問題です!
さっそく,問題をみてみましょう.
<解答>
(1)
熱力学の問題では,基本的に次の3つの式を立てて欲しいのですが,今回に限っては
1.可動部分のつり合いの式
からは,いい情報が得られません.
これは,ピストンにはたらく力である,固定されているときにはたらいている力が未知だからです.
定積変化のときは,可動部分のつり合いの式を考えてもうまくいかないことが多いでしょう.
なので
2.状態方程式
を立てて,計算をします.
★ 状態0における理想気体の状態方程式
$p_{0}V_{0}=1\cdot RT_{0}$
$\therefore$ $p_{0}=\dfrac{RT_{0}}{V_{0}}$
(2)
次に,状態変化後の体積と絶対温度がわかっているので,ボイル・シャルルの法則を立てます.
今回は,体積が一定だから
$\dfrac{p}{T}=$一定
が成り立つね.
★ ボイル・シャルルの法則
$\dfrac{p_{1}}{3T_{0}}=\dfrac{p_{0}}{V_{0}}$
$\therefore$ $p_{1}=3p_{0}=\dfrac{3RT_{0}}{V_{0}}$
(3)
まず,気体がした仕事は0だね.
気体はピストンに力を加えているけど,ピストンを動かしていないわけだから
仕事=力×距離
の距離が0なんだね.
そして,内部エネルギーの変化$\Delta U$は次の式で求めよう!
,
★ 内部エネルギーの式
$\Delta U=\dfrac{3}{2}\cdot 1\cdot R(3T_{0}-T_{0})=3RT_{0}$
そして,熱量は熱力学第一法則で求めましょう.
★ 熱力学第一法則
$Q=\Delta U+W=3RT_{0}$
以上より,答えは,$W=0$,$\Delta U=3RT_{0}$,$Q=3RT_{0}$
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