[有名問題]3つの物体の運動[東工大] 解法2

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問題

図に示すように質量$M$の直方体が水平面上に置かれている.$M$の上に置かれた質量$M_{2}$の物体から水平面に張ったひもを滑車にかけ,その先端に質量$M_{1}$の物体を鉛直につり下げる.$M_{1}$の側面は$M$と接し,上下になめらかなにすべることができるが,離れないような構造になっている.ただし,ひもは伸びず,その質量は無視できる.また,重力加速度は$g$である.

問 $M_{2}$と$M$の間および$M$と水平面の間に摩擦がないものとし,$M_{1}$の底面の高さが$h$になるように$M_{2}$と$M$をおさえた状態から手をはなした.$M_{1}$が水平面に達するまでの間に$M$が動く距離$x$を求めよ.

<解法2>

NEKO
NEKO

質量$M$,$M_{1}$,$M_{2}$の物体にはたらく水平方向の力をかくと,上図のようになります.

すると,力の和は0であることがわかります.

力の和が0のとき,運動量が保存します.

質量$M$の物体と質量$M_{1}$の物体は密着しているので,水平方向の速度は同じです

運動を開始した時刻を$t=0$とし,時刻$t$における質量$M$と$M_{1}$の速度を$V$,質量$M_{2}$の物体を$V_{2}$とします.

すると,運動量保存則より

$0=(M+M_{1})V+M_{2}V_{2}$

となります.

両辺$\varDelta t$をかけて

$0=(M+M_{1})V\varDelta t+M_{2}V_{2}\varDelta t$

$\varDelta X=V\varDelta t$,$\varDelta X_{2}=V_{2}\varDelta t$とおくと,

$0=(M+M_{1})\varDelta X+M_{2}\varDelta X_{2}$ $\dots (\ast)$

になります.

$\varDelta X$は質量$M$と$M_{1}$の物体の水平方向の位置の変化(右方向を正とする),$\varDelta X_{2}$は質量$M_{2}$の物体の位置の変化です.

注意して欲しいのが,$V$と$V_{2}$が水平面で静止している人からみた速度なので,$\varDelta X$,$\varDelta X_{2}$も水平面で静止している人からみた位置の変化です.

NEKO
NEKO

上図から,$\varDelta X$と$h$と$\varDelta X_{2}$には次の関係があります.

$\varDelta X_{2}=\varDelta X+h$ $\dots (2\ast)$

$(2\ast)$を$(\ast)$に代入すると

$\eqalign{(M+M_{1})\varDelta X+M_{2}(\varDelta X+h)&=0\cr (M_{1}+M_{2}+M)\varDelta X&=-M_{2}h\cr \varDelta X&=-\dfrac{M_{2}}{M_{1}+M_{2}+M}h}$

したがって,答えは$x=|\varDelta X|=\dfrac{M_{2}}{M_{1}+M_{2}+M}h$となります.

こちらの方が簡単ですね!

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