
上図のように,交流電源と電気抵抗$R$の抵抗をつないだ.
時刻$t$の交流電源のGに対するAの電位$V(t)$は
$V(t)=V_{0}\sin\omega t$
である.ここで,$V_{0}>0$であり,$\omega$は角周波数である.
このとき,次の問いに答えよ.
(1) 時刻$t$において,回路に流れる電流$i(t)$を$V_{0}$,$R$,$\omega$,$t$を用いて表せ.電流の向きは上図の矢印の向きを正とする.
(2) 時刻$t$において,抵抗で消費する電力$P(t)$を$V_{0}$,$R$,$\omega$,$t$を用いて表せ.
(3) 抵抗で発生する平均消費電力$\bar P$を$V_{0}$と$R$を用いて表せ.
<解答>
(1)

オームの法則は瞬間々々成り立ちます.
★ オームの法則
$V(t)=Ri(t)$
$\therefore i(t)=\dfrac{V(t)}{R}=\dfrac{V_{0}}{R}\sin\omega t$ (答)
(2)

抵抗に電流が流れるたときに消費される電力は次の式を使います.
抵抗に電流$I$が流れたときの抵抗での電圧降下を$V$とする.
このとき,抵抗で単位時間あたりに消費するエネルギー,すなわち消費電力$P$は次のように表される.
$P=IV$
特に,オームの法則が成り立つとき,抵抗を$R$とすると,次のように変形できる.
$P=IV=I^{2}R=\dfrac{V^{2}}{R}$
したがって
$\eqalign{P(t)&=i(t)V(t)\\&=(\dfrac{V_{0}}{R}\sin\omega t) \cdot (V_{0}\sin\omega t)\\&=\dfrac{V_{0}^{2}}{R}\sin^{2}\omega t}$ (答)
(3)

平均消費電力は,式変形をすることで求めていきましょう.
倍角の式より
$\cos2\theta=2\cos^{2}\theta -1=1-2\sin^{2}\theta $
を変形すると
$\cos^{2}\theta=\dfrac{1+\cos2\theta}{2}$
$\sin^{2}\theta=\dfrac{1-\cos2\theta}{2}$

倍角の式を使って
$P(t)=\dfrac{V_{0}^{2}}{R}\sin^{2}\omega t$
を変形しましょう.
$P(t)=\dfrac{V_{0}^{2}}{R}\cdot \dfrac{1-\cos2\omega t}{2}$

$\sin\omega t$と$\cos\omega t$の平均は$0$となります.
なので,$\dfrac{1-\cos2\omega t}{2}$の平均は$\dfrac{1}{2}$となります.
グラフでも確認しておきましょう.

したがって,$\bar P$は
$\bar P=\dfrac{V_{0}^{2}}{2R}$ (答)
なります.
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