[演習] 重心不変5 2021 慶応大(理工)

分野別
2021 慶應義塾大 理工 一部

図のように,質量$M$の逆$\rm U$字型の物体が水平な床の上に置かれている.この物体は,鉛直に立つ高さ$h$の2枚の平板と,その上に接続された半径$h$の半円筒からなっている.図は真横から見た物体の断面,つまり平板と床に垂直な断面を示している.この物体は密度が一様な材質でできており,その厚さは無視できる.断面内における物体の左端を原点として,水平右向きを正とするように床上に$x$軸をとる.また,質量$m$の小球が,物体の内壁の右端$x=2h$の位置に置かれている.小球は断面内でのみ運動し,小球と物体の内壁との間に生じる摩擦は無視できる.鉛直下向きの重力加速度の大きさを$g$とする.

 逆$\rm U$字型の物体を床に固定せずに,床の上でなめらかに動ける状態にした.小球を内壁の右端の床面から大きさ$v_{0}$の初速度で鉛直上向きに打ち上げると,小球は物体の内壁に沿って半円筒の領域に入り,物体は小球から力を受けて水平方向に床を離れずに運動した.

このとき,小球が床と衝突する座標を求めよ.

<解答>

重心不変

はじめ,重心が静止していて,その後,ある成分について力の和が0であるとき,その成分の重心は静止したままである.

NEKO
NEKO

今回も水平方向に関しては,逆U字型の物体と小球にはたらく力の和が常に0だね.

今回は割と座標が明確にわかるので,移動前と移動後の重心座標が変化していないという式を立てましょう.

NEKO
NEKO

はじめ(上図左),逆U字型の物体の重心座標は$h$で,小球の座標は$2h$だね.

そして,移動後(上図右)は小球の座標を$x$とすると,逆U字型の物体の座標は$x+h$だね.

★ 重心不変の式

$\dfrac{M\cdot h+m\cdot 2h}{M+m}=\dfrac{M\cdot (x+h)+m\cdot x}{M+m}$

$\therefore x=\dfrac{2m}{M+m}h$(答)

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