接触した2つの物体の運動を考える際には,その2つの間にはたらく力を図示することがあります.
その際に,2つの物体が押し合っている図,引き合っている図で混乱する人がいるので,ここではその対策をしてきたいと思います.
下図の左が押し合っている図で,右が引き合っている図です.
確かに,上の左図は互いに引っ張り合っているように見えるし,右は押し合っているように見えるね...でも実際は逆なんだ.混乱しそう.
そもそも力を図示する際は
1.着目物体をきめる.
2.着目物体に外から加えられる力を図示する.
のステップを踏むことを確認しておきましょう.
着目物体「が」相手に加える力ではなく,着目物体「に」相手が加える力です.
つり合いの式や運動方程式を立てる際には,その物体に外からはたらいた力で決まります.
$ma=F$
の$F$は外から加えられた力(原因)で,その結果,加速度$a$が生じます.
着目物体自身が相手に加えた力が原因なのではなく,外から加えられた力が原因で着目物体の運動が決まるんだね.
そういうことです.
そもそも2つの物体のことを同時に考えるのは大変です.青の方の物体にはたらく(外から加えられる)力を図示してみましょう.
青い物体だけに着目すると,左図はあきらかに押されているのがわかるし,右は引っ張られているのがわかるね.
そして,緑にはたらく力は「作用反作用の法則」を用いて図示しましょう.
作用反作用の法則は,互いに力を及ぼす際にその2つの力は
1.一直線上にはたらき
2.向きが真反対で
3.大きさが同じ
です.
なるほど,混乱しそうなときには,片一方の物体だけに着目して,もう一方にはたらく力は作用反作用の法則を利用すればいいんだね.
はい.
では,次はばねがおよぼす力をみていきましょう.
正直,これはよく図示する機会があるから,そこまで難しくないけど,念のため片方ずつみていきましょう.
一応補足しておくと,上の2つの力は「作用・反作用の関係」ではありません.(物体とばねの間にはたらく力が作用・反作用の関係)しかし,高校物理では軽いばねを扱い,その他の力もはたらかないので,実質一直線上にあり,同じ大きさで向きが真反対となります.
それでは,最後に演習問題です.
<解答>
・引き合う力
・押し合う力
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