
今回は,平行板コンデンサーの電気容量の式の話です.

面積$S[\rm m^2]$の平らな導体板2枚を距離$d[\rm m]$だけ隔てて固定する.
真空の誘電率を$\varepsilon_{0}[\rm F/m]$とする.真空中において,このコンデンサーの電気容量$C_{0}[\rm F]$は次のようになる.
$C_{0}=\varepsilon_{0}\dfrac{S}{d}$

上の式を導くのに必要なことは次の3つです.
十分に広い平面に一様な電荷$Q$が分布している.
真空の誘電率を$\varepsilon_{0}$,平面の面積を$S$とするとき,電場の大きさ$E$は
$E=\dfrac{|Q|}{2\varepsilon_{0}S}$
これは,電場が距離によらず一定であることを意味している.

電場の大きさを$E$,距離$\Delta x$の電位差を$\Delta V$とするとき,次の関係が成り立つ.
$E=\left|\dfrac{\Delta V}{\Delta x}\right|$
コンデンサーに蓄えられている電荷を$Q$,コンデンサー間の電圧を$V$とすれば,コンデンサーの電気容量$C$は
$C=\dfrac{Q}{V}$
実際は
$Q=CV$
として使うことが多い.

平面に分布された電荷がつくる電場については,こちらでも説明しています.

それでは,これらをもとに,コンデンサーの電気容量を計算していきましょう.

下図のように,電荷$Q[\rm C]$と$-Q[\rm C]$が蓄えられている面積$S[\rm m^{2}]$の極板を距離$d[\rm m]$隔てて固定します.



すると,$+Q$と$-Q$の電荷はそれぞれ極板の上側と下側に電場をつくります.
正の電荷からは飛び出すように電場をつくり,負の電荷は入り込むように電場をつくることに注意しましょう.

すると,上側極板の上と下側極板の下では電場が0になって,極板の間の電場は図の下向きに$\dfrac{Q}{\varepsilon_{0}S}$となるんだね.
★ 電場と電位差の関係式
コンデンサー間の電位差を$V$とすると,$E=\dfrac{V}{d}$より
$\dfrac{Q}{\varepsilon_{0}S}=\dfrac{V}{d}$
$\therefore$ $\dfrac{Q}{V}=\varepsilon_{0}\dfrac{S}{d}$ $\dots (\ast)$
★ 電気容量の定義式
$(\ast)$より
$C=\dfrac{Q}{V}=\varepsilon_{0}\dfrac{S}{d}$

平行板コンデンサーの電気容量の式はよくでてくるので覚えておきましょう.
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