投げ上げ運動の際には,次のことをよく使うね.
たとえば,最高点に達する3秒前と3秒後の速さと高さは同じだってことだね.
なぜ,このようなことになるのかを$v-t$グラフを利用して確認しましょう.
★ 等加速度運動の式
鉛直上向きに座標をとると,加速度は重力加速度の大きさを$g$とすれば,$-g$.
さらに,初速度を$v_{0}$とする.
すると,時刻$t$における速度$v$は
$v=v_{0}-gt$
$v$$=v_{0}-g$$t$
について,縦軸を$v$,横軸を$t$とした$v-t$グラフをかきましょう.
すると,$v_{0}$は縦軸の切片の値になり,$-g$は直線の傾きになるね.
この直線と$t$軸との共有点の$t$座標を$T$として,下図のように$\triangle\rm O^{\prime}AB$と$\triangle\rm O^{\prime}CD$について考えます.
このとき,
${\rm O^{\prime}B}={\rm O^{\prime}D}=\tau$
です.
$t=T$は速度が$0$の時刻なので,最高点に達する時刻となります.
時刻$t=T$より時間$\tau$だけ前の速さは$\rm AB$の長さに対応し,時刻$t=T$より時間$\tau$だけ後の速さは$\rm CD$の長さに対応しています.
${\rm AB}={\rm CD}$
を示すために,$\triangle\rm O^{\prime}AB$と$\triangle\rm O^{\prime}CD$が合同であることを示しましょう.
${\rm O^{\prime}B}={\rm O^{\prime}D}$ (仮定) $\dots (\ast)$
${\angle \rm O^{\prime}BA}={\angle \rm O^{\prime}DC}=90°$ (仮定) $\dots (2\ast)$
${\rm BO^{\prime}A}={\rm DO^{\prime}C}$ (対頂角) $\dots (3\ast)$
$(\ast)$~$(3\ast)$より,1辺とその両端の角がそれぞれ等しいので,
$\triangle\rm O^{\prime}AB \equiv \triangle\rm O^{\prime}CD$
したがって,対応する辺を考えれば,
${\rm AB}={\rm CD}$
となるんだね.
つまり,最高点に達する時刻$T$より,$\tau$前の速さと$\tau$後の速さが同じであることが示されたね.
さらに,$\triangle\rm O^{\prime}AB$と$\triangle\rm O^{\prime}CD$の面積は移動距離を表すので,最高点に達する時刻$T$より$\tau$前の高さと$\tau$後の高さが同じであることがわかるね.
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