2021年の共通テストの第2日程では,実験とからめた問題が何問かでてきました.
今回は,グラフを読み取る問題について扱いたいと思います.
<解答>
弦に交流電流を流すと,U型磁石内にある弦の部分に電磁力がはたらきます.
しかもその電磁力は電流の大きさと向きが変化するので,その変化に伴い電磁力も大きさ向きが変化します.
弦に力を加えるタイミングが悪いと,定常波はできません.
ブランコに乗っている人を後ろからおしてあげるときにタイミングよくおせば,ブランコは大きく振動しますが,おすタイミングを間違うと,ブランコはやがて止まってしまいます.
大きく振動するタイミングは,波の伝わる速さや波長によって変化します.
この問題では,波が伝わる速さは変化しません.
次のことを確認しておきましょう.
この問題では,張力も線密度も変化しません.
問題文に書かれているように,腹が1個の定常波ができたときの弦の長さ$L$測定しています.
両端が節で腹1個の定常波は,次図のようになります.
上図に定常波は波長を$\lambda$とすると,$\dfrac{\lambda}{2}$に相当します.
つまり
$L=\dfrac{\lambda}{2}$
$\therefore \lambda=2L$
さらに,波の基本式より,振動数$f$と波長$\lambda$と波が伝わる速さ$v$には次の関係があります.
★ 波の基本式
$\lambda=2L$より
$v=f\lambda=f\cdot 2L $
$f$$=\dfrac{v}{2}\cdot $$\dfrac{1}{L}$
さきほど考察したように,波が伝わる速さは変化しません.
縦軸を$f$に,横軸を$\dfrac{1}{L}$にとると,
$f$$=\dfrac{v}{2}\cdot $$\dfrac{1}{L}$
は,直線のグラフ
$y$$=a$$x$
に対応します.
つまり,$\dfrac{v}{2}$は縦軸を$f$に,横軸を$\dfrac{1}{L}$にとったグラフの傾きに対応します.
(1)
$L=0.50$のとき,$\dfrac{1}{L}=\dfrac{1}{0.50}=2.0$です.
このとき,グラフを読み取れば,振動数$f$は200よりやや小さい値であることが確認できます.
選択肢の中で最も近い値は④の$1.9×10^{2} \rm Hz$(答)$\fbox{ 14 }$ ④です.
(2)
$\dfrac{v}{2}$は縦軸を$f$に,横軸を$\dfrac{1}{L}$にとったグラフの傾きに対応します.
つまり,傾きを読み取ればよいのですが,正確な値は読み取れそうにありません.
そこで,(1)を利用しましょう.
グラフの傾きは$\dfrac{190}{2}$です.
したがって
$\dfrac{v}{2}=\dfrac{190}{2}$
$v=1.9×10^{2} \rm m/s$ (答)
$\fbox{ 15 }$ ① $\fbox{ 16 }$ ⑨ $\fbox{ 17 }$ ②
コメント