今回は,高校物理で出てくる運動方程式の形を
まとめましょう.
運動方程式の形を知っておくことで次のようなメリットがあります.
- 各運動の特徴を知ることができる.
- 運動の全体像を把握することができる.
$ma=C$ 等加速度運動
$ma=$定数の形だね.
等加速度運動であることを確認できたら,次の3つの式を使うことができるよ.
$x$は距離ではなく座標だったね.
距離と座標が等しいときもあるけど,そうではないときに間違わないように,普段から座標を意識しょう.
なぜ,$x$は距離ではなく座標なのかを知りたい方は下記の記事を読んでみてください.
$ma=-kx+C$ 単振動
単振動に関しては,こちらで解説+演習を扱っているよ.
単振動の運動方程式は一般的に次のような形になります.
$ma=-kx+C=-k(x-\dfrac{C}{k})$
$x_{0}=\dfrac{C}{k}$とおくと
$ma=-k(x-x_{0})$
となります.
運動方程式から次のような情報を得ることができます.
$ma=-kv+C$ 終端速度型の運動
空気抵抗がある場合の運動や,導体棒の運動などで出てくるね.
この形は次の3つのポイントをおさえましょう.
- 十分時間が経つと速度が一定になる.(加速度が0)
- 終端速度は$\dfrac{C}{k}$
- $t=0$のときの加速度を求めさせることが多い.
まとめると,次のようになります.
たとえば,次のような空気抵抗がはたらく場合について考えてみよう.
$t=0$で物体が初速度0で運動を開始します.
その後,物体が速度をもつと,速さに比例した空気抵抗がはたらきます.
速さが$v$のときの空気抵抗の大きさは,比例定数$k$を用いて,$kv$で,向きは速度と逆向きです.
座標の向きと加速度の向きを鉛直下向きにとりましょう.
加速度を$a$と設定して,運動方程式を立てると,次のようになります.
$ma=-kv+mg$
はじめ,$v=0$からスタートするので,加速度は$a=g$です.
$v-t$グラフの傾きは加速度でした.
なので,はじめの傾きは$g$です.
しかし,少しずつ$v$が大きくなっていくことで,運動方程式の右辺である$-kv+mg$が小さくなります.
つまり,左辺の加速度$a$が小さくなります.
これは,$v-t$グラフの傾きがだんだんと小さくなっていくことを意味しています.
そして,最終的には,$-kv+mg=0$となり,加速度が0になります.
つまり,$v-t$グラフの傾きが0になって,以後,速度は変化しません.
このときの速度は
$-kv+mg=0$ $\therefore v=\dfrac{mg}{k}$
です.終端速度は$v=\dfrac{mg}{k}$となります.
以上です.
最後にそれぞれの運動の大事なポイントをまとめておきます.
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